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PROJECT
STORY

昭和リースが独自で開発した新しい仕組みで、
スタートアップ企業を成功に導く!

OUTLINE

2023年4月、家具や家電のレンタル・サブスクリプション(以下、サブスク)を運営するお客さまと、家具サブスクビジネスに関する取引を開始した。昭和リースには、「アセット投資ビジネス」という独自スキームがあり、お客さまの家具機材調達にかかる初期負担や未稼働リスクが軽減され、家具の商品ラインナップが拡充するメリットがある。今回、初めてこのアセット投資ビジネスを用いた家具サブスクプロジェクトに事業開発部と東京営業第一部のふたりが取り組んだ。

PROJECT MEMBER

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坂井 貴一

事業開発部
2009年入社

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小澤 里依

東京営業第一部第四チーム
2020年入社

アセット投資ビジネスとは?

スタートアップ企業に親和性のある
昭和リース独自スキーム「アセット投資ビジネス」。
今回のプロジェクトの核となる「アセット投資ビジネス」とはどのような仕組みですか?
  • 私の所属する事業開発部は新しいビジネスを開発する部隊で、このアセット投資ビジネスは、昭和リースが開発したスキームです。リースとは、お客さまと契約期間を決め、毎月決まった金額をお支払いしていただくシステムですが、アセット投資ビジネスは主にサブスクビジネスを行っているお客さまに対し、毎月固定した金額は設定せず、家具や家電などの稼働状況に合わせた利用料を設定。サブスク商材の未稼働リスクを昭和リースが負うことで、スタートアップ企業のようなお客さまにリスクの少ないビジネスをしていただけるメリットがあります。2020年6月にこのスキームについての勉強会を社内で実施したところ、小澤さんからアセット投資ビジネスの仕組みをご利用いただけそうなお客さまがいらっしゃると相談を受けたんです。
  • スタートアップ企業で家具と家電のサブスクビジネスを展開している取引先がありました。そこで今回のアセット投資ビジネスの仕組みをご利用いただけるのではないかと思い、坂井さんに相談、一緒にお客さまの元へ訪問し提案を実施しました。
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プロジェクトの経緯

お客さまから一旦は断られるものの、
将来的な事業拡大を見越し、情報交換を継続。
その後、お客さまとの商談はどのように進んだのでしょうか?
  • 坂井さんと一緒に説明にうかがい、お客さまにアセット投資ビジネスの仕組みについて興味を抱いていただきました。ただ、家具を調達する資金は一旦目処がついているとのこと、今回は必要がないとお断りされたんです。
  • それでも私はお客さまとアセット投資ビジネスの親和性が高いと思い、今後サブスク事業を拡大していくうえで、安定した在庫調達が必須であることをお客さまと共有。粘り強くお客さまと継続的にミーティングを重ねていきました。
  • その後、坂井さんの予想通り、お客さまの事業の拡大に伴い、在庫調達の強化が課題になってきました。実際にお客さまの物流倉庫に足を運び、在庫の管理体制やオペレーション、リペア体制を確認し、社内外とも情報共有をしながら商談を進め、2023年3月にお客さまと契約を締結。4月から取引を開始することができました。

課題解決

お客さまのビジネスを深く理解し、
本質的な課題に対する提案を行うことが重要。
アセット投資ビジネスの仕組みを運用するにあたって苦労した点はありましたか?
  • アセット投資ビジネスは昭和リースの新規ビジネスなので、前例が多くありません。もちろん、運用における決まりごとなどは設定していましたが、お客さまのビジネスモデルに合わせてその仕組みや条件などを調整していかなければなりません。それが難しかったですね。
  • 今回のお客さまがサブスク事業を継続的に行っていくためには、家具のメンテナンス体制がカギだと感じました。そのため、お客さまに倉庫の視察を依頼し、バックヤードの部分もしっかりと理解することに努めました。当たり前のことですが、今回のアセット投資ビジネスの例だけなく、お客さまのビジネスの本質を理解するため、深い部分まで追求していく姿勢が大切だとあらためて感じました。
  • その通りだと思います。私もお客さまのビジネスモデルを深く理解するために、実際に自分で家具サブスクの登録をし、UI(ユーザーインターフェイス)やUX(ユーザーエクスペリエンス)を確認し、使い勝手などを体験しました。特にアセット投資ビジネスはお客さまの事業性を重視しますからね。
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アセット投資ビジネスの成果

アセット投資ビジネスは、
サステナブルな社会実現にも貢献。
お客さまとの契約締結後、どのような成果が得られましたか?
  • アセット投資ビジネスの取引開始から、約1年稼働状況をモニタリングしていますが、当初想定していた通りの稼働率を上げています。現在、お客さまの事業拡大による、安定した在庫調達の実現に向けて、在庫の追加投資と在庫種類の拡大を協議しています。
  • まだまだ課題はありますが、やはり当初の見立て通り、モノのサブスク事業とアセット投資ビジネスは親和性が高く、今後もスキームを拡大していける手応えを感じています。また、サステナブルな社会を実現することにも貢献できたと思っています。サブスクは従来の大量生産・大量消費とは異なり、モノを所有しないことで「捨てないこと」を実現します。つまりサブスク利用者が家具を使用して、使わなくなったら返却、それをメンテナンスすることで廃棄物削減に大きく貢献します。SDGsの12番目の目標である「つくる責任・つかう責任」の達成にも寄与するサービスだと思っています。
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自己成長と今後

新たなビジネスモデルを創造し、
スタートアップ企業を成功に導けるように。
今回のプロジェクトを通して学んだことや今後の展望について教えてください。
  • お客さまは契約前から昭和リースのことを重要な取引先であると認識していると話してくださり、一般的なリース、割賦販売サービスを超えた取引を行っていきたいとおっしゃっていました。今回、アセット投資ビジネスの契約をできたことで、実際にその通りの取引となりました。このような関係性を築けたことにやりがいと喜びを感じています。
  • アセット投資ビジネスはお客さまのビジネスモデルに合わせてカスタマイズしていく仕組みなので、常に新しい発見と挑戦があります。そのため、お客さまのビジネスモデルを深く知ることで、自分自身の知見も広がりました。契約を締結する際も、社内外の関係部署からさまざまな意見を聞きながら進めることができたのもいい経験になりました。
  • これまでスタートアップ企業へのアプローチは正直、難しいと思っており、後ろ向きでした。しかし、今回のプロジェクトを通して「課題があるからあきらめる」のではなく「その課題をどうやったら解決できるか?」という考え方を持てるようになりました。昭和リース内で難しければ、SBIグループとして課題解決できないかと視野を広げることができるようになりました。
  • 今回のプロジェクトはアセット投資ビジネスにおいて、大きな一歩だと思います。今後もアセット投資ビジネスのような「リース」にこだわらない新しいビジネスモデルを自分自身で創造していきたいですね。
  • 私は業歴間もないスタートアップ企業との取引は与信管理の面で難しい印象を持っていました。でも、今回のプロジェクトを経験したことで考え方が変わったので、今後はスタートアップ企業にも積極的にニーズをうかがい、お客さまのビジネスの成功をサポートできるよう努力していきたいと思っています。
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※部署名、所属および内容は、取材当時のものです。